雨が上がった朝、出かけようとカバーをめくったら、表面の雨水が一気にシートへ流れ落ち、カバーの内側までしっとり湿っていた。
バイクカバーは、かけておけば何でも防げるものではなく、サイズ・生地・固定の3つが車体と保管場所に合っていて、はじめて雨や風から車体を守れます。
選ぶ順番
1. 車体の長さと高さを測って、呼び名ではなく適合寸法でサイズを選ぶ
2. 屋根があるかないかで、生地の厚さと通気のしかたを決める
3. マフラーまわりの耐熱、車体下のベルト、ロック穴の3つが付いているかを見る

バイクカバーで守れるもの、守れないもの
カバーがいちばん役に立つのは、雨・紫外線・砂ぼこり・鳥のフン・落ち葉から車体を覆うことです。
屋外に置きっぱなしにするバイクは、日光でシートや樹脂の部品が傷みやすいので、屋根のない場所ほどカバーをかける意味が大きくなります。
車種や装備が外から見えにくくなるぶん、通りがかりの人に目を付けられにくくなることもあります。
ただしカバーをかけたからといって盗まれないわけではなく、湿気はかえってこもりやすくなります。
盗難への備えは、ロックや置き場所の工夫と組み合わせて考えるのが基本です。
サイズの選び方
呼び名ではなく、測った寸法で選ぶ
バイクカバーのサイズは「M」「L」「3L」のような呼び名で売られていますが、同じ呼び名でもメーカーによって大きさが違います。
選ぶときは、自分の車体を実際に測って、製品の適合寸法(全長・全高などの表)と照らし合わせるのが確実です。
| 測る場所 | 測り方 | 見落としやすい点 |
|---|---|---|
| 全長 | 前輪のいちばん前から、車体のいちばん後ろまで | リアキャリアやリアボックスの出っぱりも含める |
| 全高 | 地面から、車体のいちばん高いところまで | スクリーン、ミラー、リアボックスの上面のどれが一番高いか |
| 全幅 | 左右でいちばん広いところ | ハンドル、ミラー、サイドバッグやサイドケース |

迷ったときの考え方
測った寸法がサイズの境目にあるときは、大きいほうを選び、余った分はベルトや裾のひもで絞るほうが扱いやすいです。
小さすぎるカバーは、かけるたびに生地を引っ張ることになり、縫い目が傷みやすく、裾が上がってタイヤまわりが出てしまいます。
反対に大きすぎると、風でばたついて塗装面をこすったり、地面に引きずって汚れたりするので、余りは「少し」にとどめます。
リアボックスやスクリーンを後から付けた車体は、「ボックス付き対応」や「スクリーン対応」と書かれたサイズを選ぶと、上側がきつくなりません。
タイプ別の比較
生地の厚さと形の違いで、主に次のタイプに分かれます。
| タイプ | 向いている保管場所 | 良いところ | 気を付ける点 |
|---|---|---|---|
| 薄手 | 屋根付き駐輪場、屋内 | 軽く、かけ外しが楽で、たたむと小さい | 屋根のない場所では劣化が早い |
| 厚手(屋外向け) | 屋根のない屋外 | 雨や日差しに強く、長持ちしやすい | 重く、乾きにくい。収納場所が要る |
| 裏地付き | 屋外、塗装を大事にしたい車体 | 内側がやわらかく、こすれ傷を抑えやすい | 濡れると乾くまで時間がかかる |
| ハーフカバー | 屋根付き駐輪場 | 上半分だけなので、かけ外しが一番早い | 下回りや足元は雨や汚れから守れない |
毎日乗る通勤用なら、かけ外しの手間が少ないことも長続きの条件なので、重すぎる厚手より、少し軽めの屋外向けを選ぶ考え方もあります。
耐熱と防水・蒸れの考え方
マフラーが熱いうちはかけない
多くのカバーには、マフラーやエンジンが当たる部分に熱に強い生地や耐熱パッドが付いています。
耐熱の部分があると、うっかり温かいうちにかけてしまったときの焦げや溶けを抑えやすくなるので、耐熱の部分がマフラーの位置に合うものを選ぶのがおすすめです。
走ったあとすぐにかけない
走った直後のマフラーやエンジンはとても熱く、耐熱の部分があるカバーでも、熱いうちにかけると生地が溶けたり焦げたりするおそれがあります。
冷めるまでの時間は、気温や走った距離で変わるので、時間で決めずにマフラーに手をかざして熱を感じなくなってからかけてください。
熱い部分に直接触れて確かめるのはやけどのもとになるので避けます。

防水と通気のバランスを見る
防水性ばかりを重視すると、地面から上がってくる湿気や、気温差でできる結露がカバーの中にこもります。
屋外に長く置くなら、防水の生地に通気口(ベンチレーション)が付いたものを選ぶと、中の湿気が抜けやすくなります。
雨のあとに晴れた日は、カバーを外して車体とカバーの両方を乾かすと、金属部分のさびやカバーのカビを防ぎやすくなります。
風で飛ばされないための固定
カバーが風で飛ばされる、めくれて片側だけ外れる、という失敗の多くは、裾が車体の下でとまっていないことが原因です。
- 車体の下をくぐらせて留めるベルトが、前と後ろの2か所以上にあるか
- 裾にゴムや絞りひもが入っていて、タイヤの下側まで包み込めるか
- ベルトのバックルが、マフラーなど熱くなる部分に当たらない位置で留められるか
- 前輪のあたりに、ロックを通すための穴があるか

風でカバーがばたつくと、生地と塗装のあいだに入った砂ぼこりがこすれて細かい傷になります。
かける前に車体の砂ぼこりや汚れを軽く落としておくと、こすれ傷を減らしやすくなります。
洗車のときの洗う順番や拭き上げのやり方は、洗車の手順の記事で詳しく取り上げています。
台風のような強い風の予報が出ているときは、カバーが風を受けて車体ごとあおられ、倒れるおそれもあります。
そうした日は、カバーを外しておく、風の当たりにくい場所へ移すといった判断も考えてください。
ロック穴があるカバーを選ぶ理由
ロック穴は、カバーをかけたまま、前輪とチェーンロックやワイヤーロックを通せるように開けられた穴です。
穴があると、毎回カバーをめくらずにロックをかけられるので、面倒でロックを省いてしまう日を減らせます。
カバーとロックを一緒に通しておけば、カバーだけを持ち去られることも防ぎやすくなります。
太いチェーンロックを使っている場合は、ロックの太さが穴を通るかを製品の説明で見ておきます。
ロックの種類の違いや、駐輪場所の選び方は、盗難対策の記事にまとめています。
保管場所による選び方の違い
| 保管場所 | 向いているカバー | 気を付ける点 |
|---|---|---|
| 屋根のない屋外 | 厚手の屋外向けで、通気口と車体下のベルトがあるもの | 日差しで生地が傷みやすく、ほかの場所より買い替えが早くなる |
| 屋根付きの駐輪場、マンションの駐輪場 | 雨が直接当たらないなら、薄手やハーフカバーでも十分なことが多い | 吹き込みのある場所は、裾まで覆えるフルカバーにすると足元の汚れを防げる |
| 屋内やガレージ | ほこりよけの薄手のカバーで足りる | 長く乗らない時期にかけっぱなしにする場合も、ときどき外して湿気を逃がす |
屋外に置くなら、撥水が落ちる・生地が硬くなる・破れが出るのどれか1つでも見えた時点で、買い替えを考えてください。
集合住宅の駐輪場は、カバーの使用や置き方に管理規約の決まりがある場合もあるので、先に確かめておきます。

乗る頻度で変わる、カバーの選び方と使い方
毎日の通勤で乗る
毎日かけ外しするなら、片手で持てる重さと、すばやく留められるバックルを優先します。
朝は外したカバーの置き場所にも困るので、収納袋が付いていて、シートの下やリアボックスに入る大きさにたためるものだと扱いやすくなります。
週末だけ乗る
平日のあいだはかけっぱなしになるので、耐候性と通気を重視した屋外向けが向いています。
雨のあとの晴れた週末にカバーを外して乾かす、という流れを習慣にすると、湿気がこもりにくくなります。
冬のあいだ、しばらく乗らない
何週間もかけたままにすると、カバーの中に湿気がたまり、気付かないうちに金属部分がさびることがあります。
天気の良い日にときどき外して風を通し、車体に汚れや水が残っていないかを見るだけでも違います。
長く乗らない時期はバッテリーも弱りやすいので、充電の方法はバッテリー交換とバッテリー上がり対策の記事を参考にしてください。
雨の日の扱いで差が出るポイント
雨の翌朝にカバーを外すときは、先に表面の水を払ってから、前から後ろへめくると、シートに水が流れ込みにくくなります。
濡れたカバーを丸めたまま袋にしまうと、においやカビの原因になるので、帰宅後にもう一度かける前に、軽く広げて乾かしておきます。
雨の中を走ってきた車体にすぐかけると湿気を閉じ込めるので、時間に余裕がある日は、ある程度乾いてからかけるほうが車体のためになります。
今夜から、帰ってすぐにかけるのではなく、マフラーに手をかざして熱が引いたのを確かめてからカバーをかけるようにしてください。




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