ヘルメットのサイズ表は、多くの製品が頭囲2cmきざみで区切られています。
同じ「M」でも、頭囲がその幅の下のほうか上のほうかで、かぶり心地は大きく変わります。
だからヘルメットは、「乗るバイクで選べる種類を絞る」→「使い方でタイプを決める」→「頭囲を測って試着で詰める」の順に決めると、買ってからの後悔が少なくなります。
乗るバイクの排気量で、選べるヘルメットが分かれる
PSCマークのないものは候補に入れない
バイク・原付に乗るときのヘルメットは「乗車用ヘルメット」として扱われ、国の安全基準に合ったことを示すPSCマークが付いていないと、国内では売ってはいけない決まりになっています。
ところが通販やフリマでは、見た目はバイク用でも「装飾用」「公道使用不可」と書かれた帽子が混ざっていることがあります。
海外の規格の表示があっても、PSCマークがなければ国内では乗車用ヘルメットとして売ることができません。
PSCに加えて、民間の安全基準に合格したSGマークや、国内規格のJISマークが付いた製品もあります。
SGマークには、製品の欠陥による人身事故への賠償の仕組みが付いていて、その対象期間が購入から3年です。
「125cc以下用」の表示を見落とさない
半キャップと呼ばれるハーフ形や、耳まわりが浅いスリークォーター形には、「125cc以下用」と表示されたものがあります。
これは125cc以下のバイクと原付に限って使うものとして作られ、頭を覆う範囲がほかのヘルメットより狭い基準で試験されています。
125ccを超えるバイクに乗るなら、この表示がないヘルメットから選びます。
原付や原付二種でも、毎日の通勤で幹線道路を走るなら、頭の横と後ろまで覆うジェット形以上を選んでおくと、守られる範囲が広がります。
買う前に帽体の内側・外側で見る表示
PSCマークがあるか
「125cc以下用」の表示があるか(あれば125ccを超えるバイクには使わない)
「装飾用」「公道使用不可」の表示がないか
SGマークがあれば、購入日が分かるレシートや保証書を残しておく
法令上も、乗車用ヘルメットには視野と聞こえ方をさまたげないこと、衝撃をやわらげ突き抜けにくいこと、脱げないあごひもがあること、重さが2kg以下であることなどが求められています。
PSCマーク付きの製品から選べば、この点で迷う必要はほとんどありません。

タイプは「どこを走るか」で決める
ヘルメットの形は、守られる範囲の広さと、かぶったときの開放感・取り回しの軽さが引き換えになっています。
| タイプ | 守る範囲 | 向いている使い方 | 気になる点 |
|---|---|---|---|
| フルフェイス | 頭全体とあごまで | 高速道路、ツーリング、排気量の大きいバイク | 夏は暑く、着け外しにひと手間かかる |
| システム(あご部分が上がる) | 閉じればフルフェイスに近い | メガネを使う人、休憩や給油で顔を出したい人 | 開閉の仕組みのぶん重くなりやすい |
| ジェット | 頭の上・横・後ろ。あごは出る | 街乗り、通勤、スクーター | あごが守られない。シールドなしは風と虫を受ける |
| オフロード | 頭全体とあご。ひさし付き | 林道、未舗装路 | ひさしが高速では風を受ける。ゴーグルを別に使う |
| ハーフ(半キャップ) | 頭の上が中心 | 原付で近所を走る程度 | 「125cc以下用」が多い。耳・あご・後頭部が出る |
高速道路を使う、1日に数百km走る、という人はフルフェイスかシステムから選ぶのが基本です。
通勤で毎日乗るスクーターなら、シールド付きのジェットが着け外しの手軽さと守られる範囲のバランスを取りやすいです。
メガネをかけている人は、あご部分を上げてからメガネを差し込めるシステムだと、乗る前の手間がぐっと減ります。
インカムを付ける予定があるなら、帽体の横にスピーカーを入れるくぼみがあるか、取り付ける場所があるかも見ておきます。

原付・原付二種なら、シート下の収納に入るかも見る
50cc以下の原付と、125cc以下の原付二種に乗る人は、「125cc以下用」の表示があるものも含めて、すべての種類から選べます。
出力を抑えた125cc以下の新しい基準の原付も、扱いは原付と同じです。
半キャップは軽くて値段も手ごろですが、耳・あご・後頭部が出るうえに、雨や虫が顔に直接当たります。
冬は耳が冷えやすいので、通勤で毎日乗るならシールド付きのジェットにしておくと、1年を通して使いやすくなります。
スクーターに乗る人が見落としやすいのが、シート下の収納に入るかどうかです。
同じジェットでも帽体の大きさや形で入らないことがあり、フルフェイスやシステムは、収納の小さい車種では入らないこともよくあります。
収納に入れたいなら、シート下の深さと前後の長さを測ってから店に行き、候補のヘルメットの大きさと比べます。
頭囲の測り方とサイズ表の読み方
布のメジャーで、いちばん大きいところを測る
金属の巻き尺は頭に沿わないので、裁縫用のやわらかいメジャーを使います。
前は眉の少し上(1〜2cm)、横は耳の上、後ろは後頭部のいちばん出っ張ったところを通します。
後ろの位置を上下に少しずつ動かし、いちばん大きくなった値を頭囲にします。
メジャーは締めすぎず、髪を押しつぶすほど引っぱらないようにして、mm単位で控えておきます。
ひとりだと後ろの位置がずれやすいので、家族に頼むか、鏡で横から見ながら測ると正確になります。
サイズ表の「境目」に来たら、両方かぶる
サイズ表は、たとえば「M:57〜58cm」「L:59〜60cm」のように頭囲の幅で書かれています。
ただし幅の区切り方は製品ごとに違うので、前に使っていたヘルメットのサイズ名ではなく、測った頭囲で買う製品の表を見ます。
頭囲が58.5cmのように2つのサイズの間に来たときは、数字だけでは決められません。
小さいほうがきつすぎないか、大きいほうがゆるすぎないかを、店で両方かぶって比べるのがいちばん確かです。
頭の形も人によって違い、前後に長い頭と、丸い頭では合う製品が変わります。
頬や頭頂の内装パッドを厚さ違いに交換できる製品なら、買ったあとに微調整できる余地があります。
試着では「10分かぶる」「頭を振る」「後ろを持ち上げる」
かぶってすぐ確かめるところ
新品のヘルメットは、頬のパッドが少しきついくらいがちょうどよいことが多いです。
内装は使ううちに少しなじんでゆるむので、店で「楽だ」と感じるサイズは、しばらくすると大きく感じることがあります。
合っているときのサイン
頬と頭まわりが、すき間なく均等に押されている
おでこの上の縁が眉の少し上にあり、上の視界をさえぎらない
あごひもを締めて頭を左右に振っても、ヘルメットだけが遅れて動かない
後頭部の下側を持って前へ持ち上げても、脱げそうにならない
合っていないときのサイン
こめかみやおでこの一点だけが強く当たる
頭を振ると、頭とヘルメットの間がずれる感覚がある
手のひらで帽体を左右に回すと、皮膚ごと動かずにヘルメットだけが回る
指がおでことパッドの間にすっと入る
こめかみの痛みは、時間がたってから出る
かぶった瞬間は平気でも、こめかみやおでこの痛みは10分ほどたってから出てくることがよくあります。
店では10分以上かぶったまま店内を見て回り、外したあとにおでこに赤い跡が一点だけ強く残っていないかも見ます。
一点だけ痛むのは、サイズよりも頭の形と帽体の内側の形が合っていないことが多いので、同じサイズの別の製品も試す価値があります。
あごひもとメガネの確かめ方
あごひもは、締めたときにあごとひもの間に指が1本入るくらいが目安です。
口を大きく開けたとき、ひもが少し食い込むくらいなら締め具合は合っています。
メガネを使う人は、普段のメガネを持って試着に行きます。
ヘルメットをかぶってから横からつるを差し込み、耳の上でつるが押されて痛くならないか、レンズの位置がずれないかを確かめます。
通販で買う場合は、室内での試着に限った返品・サイズ交換ができるかを注文前に見ておくと、合わなかったときに困りません。

買い替えを考える目安
ヘルメットは、見た目がきれいでも内側の衝撃を吸収する発泡材や内装が年数とともに傷んでいきます。
買い替えを考えるきっかけ
・使い始めて3年がたった(メーカーが交換の目安として示すことが多い年数)
・転倒した、または硬い床に落とした
・買ったときよりゆるくなり、頭を振るとずれる
・内装がぼろぼろになった、あごひもがほつれてきた
・帽体にひびがある、シールドの開け閉めががたつく
- 3年を過ぎたら、もうかぶってはいけないのですか?
-
3年たった日に急に使えなくなるわけではありません。
3年は状態を見直して交換を考える目安なので、ゆるみやひび、内装の傷みがないかを確かめて判断します。
- 玄関で落としただけで、外から見て傷がなければ使い続けてもいいですか?
-
強い衝撃を受けたヘルメットは、外から傷が見えなくても、内側の発泡材がつぶれていることがあります。
帽体と内側の発泡材の間にすき間がないか、発泡材にひびがないかを見て、少しでも気になるなら販売店かメーカーに点検を相談します。
転倒で頭を打ったヘルメットは、使い続けずに買い替えます。
- 中古のヘルメットを安く買うのはどうですか?
-
中古は、落としたことがあるか、どんな場所で保管されていたかが分からないのがいちばんの問題です。
正規品に似せた品が出回っていることもあるので、頭を守るものは新品で買うことをおすすめします。
ヘルメットと一緒に考えておきたいもの
汗をかきやすい人は、薄手のインナーキャップをかぶると内装が汚れにくくなります。
ただしインナーキャップのぶん頭まわりがきつくなるので、使うつもりなら試着のときからかぶっておきます。
冬や雨の日にシールドが曇りやすいなら、そのシールドに対応した曇り止めのシートや薬剤を用意しておくと視界を保ちやすくなります。
インカムの選び方と取り付けの手順は、インカムの記事にまとめています。

頭囲がサイズ表の境目に来た人ほど、通販で数字だけで決めずに、店で2つのサイズをかぶり比べたほうが、選び直しの手間とお金がかかりません。
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