グローブ選びは、メジャーで利き手の手のひらのまわりを測るところから始まります。
指先が余ってレバーに引っかかる、きつくて指が曲げにくい、という困りごとの多くは、サイズの合わせ方でかなりの部分が決まるからです。
そのうえで、1年を何組で回すかを決め、素材と守る場所を選んでいきます。
通年で持つグローブの考え方
・1組だけなら、春から秋まで使える3シーズン用
・夏も乗るなら、3シーズン用+夏用の2組
・冬も乗るなら、そこに冬用を足す(冬用だけは別に選ぶ)
夏用・3シーズン用・冬用の違い
| 種類 | 作り | 向いている時期 | 気を付ける点 |
|---|---|---|---|
| 夏用 | 甲がメッシュや穴あきの生地で、薄い | 真夏 | 雨や朝晩の冷えには弱い。守りが薄い製品もある |
| 3シーズン用 | レザーや厚手の生地。裏地は薄め | 春・秋、暖かい日の冬の入り口 | 真夏は手が蒸れる。冬の朝は指先が冷える |
| 冬用 | 中綿入りで厚く、手首が長い | 冬 | 指が太くなり、レバーやスイッチの感覚が変わる |
夏に3シーズン用を使い続けると、手汗で中が湿り、グリップを握る感覚がぼやけてきます。
逆に、夏用を秋の朝まで引っぱると指先が冷えて、ブレーキやクラッチのレバーを握る指の動きが鈍くなります。
通勤で毎日乗る人ほど、季節の変わり目にもう1組あると、無理をしなくて済みます。
夏用を選ぶときは、指先まで覆う形にしておきます。
指先が出る形は涼しい反面、転んで手をついたときに指先が守られません。
3シーズン用で寒くなり始めた朝は、薄いインナーグローブを中に1枚足すだけでも指先の冷えがやわらぎます。
インナーを使うつもりなら、試着のときにインナーをはめた状態でも指が曲げやすいかを見ておきます。
冬用グローブの選び方とインナーグローブの重ね方は、冬の服装と防寒グッズの記事で扱っています。

乗り方別、持っておきたい組み合わせ
同じ「2組持つ」でも、何に乗って、どんな走り方をするかで、選ぶときに重く見る点が変わります。
| 乗り方 | 持っておく組み合わせ | 重く見る点 |
|---|---|---|
| スクーターで毎日通勤 | 3シーズン用+夏用 | 片手で締められる手首のベルト、タッチパネル対応の指先 |
| ギア付きのバイクで週末ツーリング | レザーの3シーズン用+夏用 | こぶしと手のひらの守り、長く握っても指が疲れにくい作り |
| 配達で1日に何度も乗り降りする | 夏用+3シーズン用、汗で湿ったときの替えの1組 | 着け外しの速さ、洗えるかどうか |
| 雨の日も休まず乗る | 防水の3シーズン用、またはグローブの上にかぶせる雨用カバー | 手首から水が入りにくい長さ |
配達のように1日に何十回も着け外しする使い方では、守りの厚さより着け外しのしやすさが毎日の負担を左右します。
それでも手のひらの補強と手首のベルトだけは外さない条件にしておくと、軽さと守りのバランスを崩さずに済みます。
素材で変わる、握りやすさと手入れ
レザーは手になじみ、こすれに強い
レザーのグローブは、使ううちに手の形になじみ、路面にこすれたときにも破れにくいのが強みです。
新品のうちは硬く感じることがありますが、何度か使ううちに指の曲げ伸ばしが楽になっていきます。
雨に濡れたら直射日光やストーブで乾かさず、陰干しにしないと、硬くなったり縮んだりします。
テキスタイルは軽く、季節に合わせた作りが多い
化学繊維の生地(テキスタイル)のグローブは、軽く、メッシュや防水の膜を組み合わせやすいので、夏用や雨に強いものが選びやすい素材です。
手のひらだけにレザーや滑りにくい合成皮革を貼った作りが多く、手のひらの素材がグリップに当たる部分までしっかり覆っているものを選ぶと握りやすくなります。
洗濯できる製品もあるので、汗をかく夏用は洗える素材かどうかも見ておくと扱いが楽です。
グリップが滑る・指が当たるときに見るところ
グリップを握ったときに手のひらがずれる感じがするなら、まず手のひらの生地にしわが寄っていないかを見ます。
しわが寄るのはサイズが大きく、生地が手と一緒に動いていないしるしなので、ワンサイズ小さいものを試す価値があります。
指の横や先が当たって痛いときは、縫い目の位置を確かめます。
指の内側に縫い目が来る作りだと、長く握るうちに当たりが気になることがあり、縫い目を外側に出した作りや、指が最初から軽く曲がった形に裁断されたもののほうが楽に感じる人もいます。
守る場所は、こぶし・手のひら・手首の3つ
転んで手をついたとき、まず地面に当たりやすいのは手のひらの付け根と小指の側です。
グローブを比べるときは、次の3か所に何が入っているかを見ます。
- こぶし(ナックル):硬い樹脂のガードか、やわらかいパッドか。指を曲げたとき、ガードが関節に食い込まないか
- 手のひら:付け根に補強の当て布やパッドがあるか。小指の外側まで補強が回っているか
- 手首:手首を覆う長さがあり、ベルトでしっかり締められるか。転んだときに脱げにくくなる
夏用の薄いグローブでも、手首のベルトと手のひらの補強がある製品なら、軽さと守りを両立しやすくなります。
手首の長いグローブはジャケットの袖の上にかぶせ、短いものは袖の中に入れると、走行風が袖口から入りにくくなります。
タグの「CE」「EN 13594」「1KP」などは何を表していますか?
ヨーロッパのバイク用グローブの規格に合格したことを示す表示です。
数字の「1」と「2」はレベルで、2のほうがすり切れや切れに強い、厳しい試験を通っています。
「KP」はこぶしのガードが衝撃の試験に合格したしるしで、こぶしにガードが付いていてもKPの表示がない製品もあります。
日本で売られているグローブには表示がないものも多く、表示の有無だけで良し悪しは決まりませんが、守りを重視して比べるときの手がかりになります。

サイズの測り方と、試着で見るところ
手のひらのまわりと、中指の長さを測る
測るのは、親指を除いた4本の指の付け根のすぐ下、手のひらのいちばん幅の広いところをぐるりと一周した長さです。
利き手は少し大きいことが多いので、利き手の値で選びます。
サイズ表に中指の長さも載っている製品なら、中指の付け根から先までの長さも控えておくと、指先の余りを見当づけやすくなります。
同じ「L」でも製品によって表の数字は違うので、手持ちのグローブのサイズ名ではなく、測った数字で買う製品の表を見ます。
試着は「握る形」で確かめる
手を広げてぴったりでも、グリップを握る形にすると指先がつっぱったり、手のひらにしわが寄ったりすることがあります。
店では手を握ったり開いたりして、握った形で指先が突っぱらず、指先に余りがほとんどないサイズを選びます。
指先が余ると、ブレーキやクラッチのレバーに指をかけたときに余った生地が引っかかります。
できれば店の展示車やレバーの見本を握らせてもらい、2本指・4本指でレバーを引く動きと、ウインカーやホーンのスイッチを押す動きを試します。
こぶしのガードが指を曲げたときに関節を押していないかも、このとき一緒に確かめます。
サイズで迷ったら、素材でも考え方が少し変わります。
レザーは使ううちに少し伸びて手になじむので、2つのサイズで迷ったら、指先が当たらない範囲できつめのほうから試してみると、なじんだあとにちょうどよくなりやすいです。
テキスタイルはほとんど伸びないので、試着した時点で握りやすいサイズをそのまま選びます。

通販で買うときに確かめておくこと
通販でグローブを買うときは、まずサイズ表が何を測った数字なのかを読みます。
手のひらのまわりで書かれている表もあれば、中指の先から手首までの長さで書かれている表もあるので、自分の測った場所と合っているかを確かめます。
左右で手の大きさが違う人は、大きいほうの手に合わせます。
届いたら室内ではめて、グリップを握る形・レバーを引く形で指先と手のひらを確かめ、合わなければタグを付けたまま交換の手続きをします。
一度でも外で使うと、交換を受け付けてもらえないことがあるので、確かめるのは室内だけにしておきます。
スマホ操作と、手入れ・交換の目安
指先にスマホの画面が反応する生地を使ったタッチパネル対応のグローブなら、停車中にグローブを外さずにナビの画面を操作できます。
ただし反応のしかたは製品とスマホの組み合わせで変わり、厚い冬用ではうまく反応しないこともあります。
走りながらの操作はせず、止まってから触る前提で選びます。
雨の日は、防水のグローブでも手首のすき間から水が入ると中まで濡れてしまいます。
レインウェアを着るときは、手首の長いグローブでも、その手首をレインウェアの袖の中に入れると、腕を伝ってきた水がグローブに流れ込みにくくなります。
手のひらが薄くすり減ったグローブは、レバーを握ったときの滑りやすさにも表れるので、グリップを握って違和感が出てきたら新しい1組に替える時期です。
次の1組は、いま手持ちのグローブで「暑い」「寒い」と感じている季節に向けた種類から選んでください。
関連記事
- バイクの冬の服装と防寒グッズ、グローブ・インナー・ネックウォーマーの重ね方
- バイクジャケットの選び方、メッシュ・3シーズン・冬用の違いと見るべき装備
- バイクブーツとライディングシューズの選び方、通勤に使えるタイプ




コメント