交差点を曲がるときにハンドルがいつもより重く、ゆっくり走るとふらふらする。
こんなとき、最初に疑いたいのがタイヤの空気圧の不足です。
走らせていない間にもタイヤの空気はじわじわ減るので、前に入れてから日がたっているなら、まず冷えたタイヤで測ります。
足りなければ指定の値まで入れ、溝・ひび・年数・傷のどれかが替えどきに来ていたら、店にタイヤ交換を頼むという順で決めます。

自分でやるのは「測る・入れる・見る」まで、タイヤを外す作業は店
タイヤまわりは、空気圧の点検と目で見る点検までは自分、タイヤを車体から外す作業はすべて店と分けます。
| 作業 | 自分でやってよい範囲 | 店に任せる範囲 |
|---|---|---|
| 空気圧 | エアゲージで測る、指定の値まで入れる | 入れても数日で減る(パンクや漏れの点検) |
| 溝・ひび・年数・異物 | 目で見る、側面の数字を読む | 判断に迷う、刺さった釘やガラスを抜く |
| バルブとキャップ | キャップがあるかを見る、締める、漏れの音を聞く | バルブの交換、バルブまわりからの漏れ |
| パンク | 安全な場所に止める、応急の修理剤を使う | チューブレスの内側からの修理、チューブの交換 |
| タイヤ交換 | サイズと希望を決める | 脱着・組み換え・バランス取り、ホイールとブレーキまわり |
自分でできる範囲でも、少しでも不安があれば店で見てもらえば十分です。
こんなときは走るのをやめて店へ
空気を指定の値に戻しても、ふらつく、ハンドルや車体に振動が来る。
片側だけ、真ん中だけなど、減り方が偏っている。
側面や溝の底に深いひびや、こぶのような膨らみがある。
釘やガラスが刺さっている(抜かずにそのまま相談する)。
空気を入れても、すぐまた減る。
指定空気圧は、車体のラベルと取扱説明書で確かめる
空気圧の正しい値は車種ごとに決まっていて、ほかの車種の数字では決めません。
タイヤの側面にある最大の空気圧の表示も、指定の値とは別物です。
ラベルの場所と、取扱説明書の見方
指定空気圧のラベルは、スイングアームやチェーンカバーのあたりに貼られていることが多いです。
スクーターはシート下などに貼られていることもあり、見つからなければ取扱説明書の仕様・諸元の欄で確かめます。
単位はkPa(キロパスカル)で、kgf/cm² が並べて書かれていることもあります。
前と後ろ、1人乗りと2人乗りで値が変わる
指定空気圧は、前輪と後輪で別の値です。
車種によっては1人乗りと2人乗りで値が分かれていて、2人乗りのほうが高く指定されています。
荷物を積んだときの値が書かれている車種もあるので、二人乗りやキャンプ道具を積む前は、その欄の値に合わせます。
中古車で取扱説明書がなければ、メーカーのサイトや販売店で、車種と年式から調べられることがあります。
冷えたタイヤで、月に1回以上測る
タイヤは走ると温まり、温まった状態で測ると高めに出ます。
空気が足りないとタイヤが大きくたわみ、熱を持って傷みやすくなり、ハンドルの重さやふらつきにもつながります。
反対に入れすぎると、路面に触れる面が小さくなり、硬く跳ねるような乗り心地になりやすくなります。
どちらにも寄せず、指定の値ちょうどに合わせるのが基本です。
測るのは走り出す前の冷えたタイヤで、頻度は少なくとも月に1回が目安です。
長距離や二人乗りの前、寒くなってきた時期にも測っておくと、減りに早く気づけます。
外したキャップは、なくさないようポケットに入れておきます。
ゲージの口をバルブにまっすぐ、しっかり押し当てます。
「シュー」と音がするあいだは、空気が漏れていて正しく測れていません。
前後それぞれラベルの値と比べ、足りなければ空気を入れます。
入れすぎたら、ゲージの空気抜きのボタンで少しずつ抜きます。
バルブから漏れの音がしないのを確かめ、キャップを手で締めます。

出先で走ってきたあとに測るなら、高めに出ているので空気は抜かず、足りない側だけを足して、冷えてから測り直します。
エアゲージと空気入れは、バルブへの当てやすさで選ぶ
道具を1つだけ買うなら、空気入れより先にエアゲージです。
ガソリンスタンドの空気入れを使う人も、自分のゲージで測り直すと、毎回同じ基準で比べられます。
| 道具 | 選ぶときに見る点 | 向いている人 |
|---|---|---|
| エアゲージ | 口が斜めになっているか(ディスクやスポークのすき間から当てやすい)、kPaの目盛りが読みやすいか、空気抜きのボタンがあるか | すべての人の最初の1つ |
| 足踏み・手押しの空気入れ | バイクのバルブ(米式)に合う口金か、ゲージ付きか | 家で入れる人 |
| 電動の小型空気入れ | 設定した値で止まるか、充電式か、積める大きさか | ツーリングに積んでおきたい人 |
電動の空気入れの表示は、ゲージとずれることがあります。
入れ終わったら、最後はエアゲージで確かめます。
ガソリンスタンドの空気入れを借りるときは、使ってよいかと使い方を店の人に確かめてからにします。
交換時期は「溝・ひび・年数・傷」で見分ける
タイヤの寿命は走る距離や置き場所で大きく変わり、何km・何年と一律には決まりません。
次の4つのどれかに当てはまったら、交換を考える時期です。
| 見るところ | 見方 | 替えどき |
|---|---|---|
| 溝 | 側面の▲マークの先にある、溝の中の盛り上がり(スリップサイン)を見る | スリップサインが表面と同じ高さになったら使用限度(残り溝0.8mm) |
| ひび | 側面と溝の底を、明るいところで見る | 細かいひびが増えたら交換を考える。深く、中の糸の層まで届いていそうなら使うのをやめる |
| 年数 | 側面の4桁の数字(前の2桁が週、後ろの2桁が年。1217なら2017年の12週目) | 使い始めて5年以上は店で点検。製造から10年たったら交換を考える目安 |
| 傷・異物 | 釘・ガラス・こぶ・えぐれがないか | 見つけたら店へ。刺さったものは抜かない |

保安基準でも、二輪の自動車のタイヤの溝は0.8mm以上と決められています。
ただ、溝が減るほど雨の路面で滑りやすくなるので、スリップサインが近づいてきたら早めに交換を相談します。
10年は使用期限ではなく、保管や使い方によっては、もっと早く替えたほうがよいこともあります。
チェーンに注油するときタイヤに油が付くと滑りやすくなり、防ぎ方はチェーンの掃除と注油の記事で取り上げています。
パンクしたら、修理剤は「店まで行くための応急」
走っていて急にハンドルを取られたり、後ろが振られたりしたら、安全な場所に止めてタイヤを確かめます。
空気が抜けたまま走り続けると、タイヤやホイールを傷めます。
パンク修理剤は、穴をふさいで空気を入れ、店まで低い速度で走るための応急処置です。
選ぶときは、二輪に使えるか、チューブレス用かチューブ入りにも使えるかが製品に書かれたものにします。
自分のタイヤがどちらかは、多くの場合、側面の「TUBELESS」などの表示で分かります。
使ったらできるだけ早く店へ行き、修理剤を使ったことを伝えて、修理か交換かを判断してもらいます。
チューブレスの内側からの修理やチューブの交換は店の作業で、側面の傷は修理できず交換になることがあります。
修理剤は積んでおいたほうがいい?
近所の通勤が中心なら、ロードサービスの連絡先を控えておくほうが確実な場合もあります。
遠くへのツーリングや店の少ない道を走るなら、修理剤と小型の空気入れを一緒に積んでおくと、店まで向かう手段になります。
どちらでも、修理剤で直ったとは考えず、店で見てもらうまでが一続きです。
タイヤ交換は、決めることを決めてから店に頼む
頼む先と、持ち込み交換の確かめ方
タイヤ交換は、バイクを買った店、バイク用品店の作業場、タイヤを扱う店などで頼めます。
店でタイヤを選んで買えば、在庫や取り寄せの相談から取り付けまで一度で済みます。
通販で買ったタイヤを持ち込む場合は、受け付けていない店や、工賃が店で買うときと変わる店もあります。
持ち込むなら、タイヤを買う前に電話で受け付けと工賃を確かめます。
店に行く前に決めておくことと、見積もりの見方
店に行く前に決めておくこと
・タイヤのサイズ(取扱説明書の指定と、いまのタイヤの側面の「120/70ZR17」のような表記)
・前だけ、後ろだけ、前後両方のどれにするか
・チューブレスかチューブ入りか
・使い方(通勤中心か、ツーリングか、雨の日も乗るか)
・予算の上限
これがそろうと、店が候補を出しやすく、見積もりも比べやすくなります。

費用は車種・サイズ・店で大きく変わるので、見積もりは合計ではなく内訳で比べます。
内訳には、タイヤ代、組み換えの工賃、ホイールの脱着の工賃、バランス取り、バルブ、古いタイヤの処分料などが入ります。
合計の安さだけで決めると、処分料やバルブが別になっていて、あとから高くなることがあります。
チューブレスはタイヤを新しくするときにバルブも新しくするのが基本なので、見積もりにバルブが入っているかも見ておきます。
交換したては、グリップが落ち着くまで100km以上、急な操作を避けて慣らします。
空気を測って入れ、溝とひびと年数を目で見るのは自分、タイヤを車体から外すのは店。
この受け持ちを守っていれば、ハンドルの重さに気づいた日も、自分で手を打つのは空気を指定の値に戻すところまでで、それでも重い・すぐ減るときはそのまま店に相談すればよいとすぐ決められます。
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