バイクにETCを付けるときに払うお金は、車載器の本体代、セットアップ料、取り付けの工賃の3つに分かれます。
本体の値段だけを見て安い店を選ぶと、残りの2つで思ったより高くつくことがあるので、見積もりは3つを合わせた総額で比べるのが基本です。
| 費用の項目 | 中身 | 見積もりで見るところ |
|---|---|---|
| 車載器の本体 | 二輪車用のETC車載器(アンテナ・配線を含む) | 二輪車用か、新しいセキュリティ規格に対応しているか |
| セットアップ料 | 車両の情報を車載器に登録する作業 | 本体とセットの料金か、別の料金か |
| 取り付けの工賃 | 本体・アンテナ・配線を車体に付ける作業 | カウルの脱着が要る車種は工賃が上がりやすい |
金額は店や車種、時期で変わるので、同じ条件で2か所ほど見積もりを取ると、相場の感覚がつかめます。
見積もりのときに聞いておくこと
- 本体代・セットアップ料・工賃がそれぞれいくらか、総額はいくらか
- 自分の車種はカウルやタンクを外す作業が要るか(工賃が変わる)
- 本体・アンテナ・表示をどこに付ける予定か
- 作業にかかる時間と、予約が必要か
- 取り付けたあとの不具合を見てもらえる期間
ネットで買った車載器の持ち込みを受け付けない店や、持ち込みだと工賃が上がる店もあるので、本体を先に買う場合は、取り付けてくれる店を決めてからにします。

ETCが要らないバイク、要らない人
付けなくてよいケース
125cc以下のバイク(原付・原付二種)は高速道路と自動車専用道路を走れないので、ETCは使い道がありません。
高速道路を年に1〜2回しか使わないなら、料金所の一般レーンで払う方法でも走れます。
近いうちに乗り換える予定があるなら、新しいバイクを買うときに一緒に付けたほうが手間が一度で済みます。
反対に、高速道路を月に何度も使う人や、ツーリングでよく遠出する人は、付けたほうが楽になる場面がはっきり増えます。
一般レーンでの支払いは、グローブを外して財布を出し、通行券とお金をやり取りする手間がかかり、後ろの車を待たせる気まずさもあります。
ETC専用の出入口(スマートインターチェンジ)はETCがないと使えず、二輪向けの割引もETCでの利用が前提です。
車載器の種類と選び方
バイクに付けられるのは、雨や振動に耐えるように作られた二輪車用の車載器だけで、車用の車載器は使えません。
| 種類 | 形 | 向いている車体 | 気を付ける点 |
|---|---|---|---|
| アンテナ分離型 | 本体をシート下などにしまい、小さなアンテナだけをハンドルまわりに出す | シート下に本体を入れる空きがある車体 | シート下の空きが減る。配線の取り回しが長い |
| アンテナ一体型 | 本体とアンテナが1つになっていて、ハンドルまわりに付ける | シート下に空きがない車体 | 本体が外から見える。カードの出し入れのしかたを確かめる |
| ETC2.0対応 | 上のどちらかの形で、ETC2.0の機能を持つもの | ETC2.0が条件の割引やサービスを使いたい人 | 本体が高めになりやすい |
ETC2.0にするかどうか
料金を払うだけなら、ETC2.0でなくても、ふつうのETCで高速道路は使えます。
ETC2.0は道路側とより多くの情報をやり取りでき、一部の割引や渋滞の情報などはETC2.0が条件になっています。
よく使う道路にETC2.0が条件の割引があるかを調べ、使い道が見当たらなければ、ふつうのETCで十分です。
カードの出し入れのしやすさで決める
毎日の使い勝手を左右するのは、カードをどこから出し入れするかです。
本体をシート下にしまう形は、カードを抜くたびにシートを開ける手間がある代わりに、外から見えにくく雨にも当たりにくくなります。
ハンドルまわりで出し入れできる形は、乗るたびにカードを抜き差ししやすい反面、差し込み口のふたがしっかり閉まるかを確かめておかないと、雨水やほこりが入りやすくなります。
停めるたびにカードを抜いて持ち歩くつもりなら、抜き差しが楽な位置に付けられる形を選ぶと、面倒で差しっぱなしにすることが減ります。
中古車に付いている車載器は、管理番号を見る
ETCの車載器には新しいセキュリティ規格に対応したものと古いものがあり、古い規格の車載器は、将来使えなくなる予定が示されています。
見分けるには、取扱説明書や保証書などに書かれた19桁の車載器管理番号の先頭の数字を見ます。
先頭が「1」なら新しい規格、「0」なら古い規格です。
中古車を買うときに車載器が付いていたら、管理番号と、自分の名義で再セットアップが必要なことを販売店に確かめておきます。

購入から使えるようになるまで
クレジットカードに付けて申し込むのが一般的で、届くまでに日数がかかるので、車載器より先に申し込んでおきます。
セットアップは登録を受けた店でしかできないので、購入・セットアップ・取り付けをまとめて頼める店を選ぶと手間が少なくなります。
車両の情報を登録するために、車検証(250cc以下は軽自動車届出済証)とバイク本体を店に持ち込みます。
本体をしまう場所、アンテナと表示の位置、カードの出し入れのしやすさを、作業の前に店と決めておきます。
カードを差したときに、表示の点灯や音声でカードが読み込まれたことを知らせるかを、引き渡しのときに店で一緒に確かめます。
クレジットカードを持っていない場合は、保証金を預けて作るタイプのETCカードもあります。
どちらのカードでも車載器側の手続きは同じなので、カードの種類は支払い方法の好みで選んでかまいません。
取り付け後に控えておくもの
・セットアップのときに受け取る証明書の控え
・車載器管理番号(19桁)
・取り付けた店の連絡先と保証の期間
二輪向けの割引の申し込みでは、車載器管理番号の入力を求められることがあるので、スマホに写真を残しておくとすぐ出せます。
乗り換えやナンバーの変更のときは、もう一度セットアップが必要です。
取り付け場所と、雨・熱・盗難への備え
本体は、雨が直接かからず、外から見えにくいシート下などにしまうのが基本です。
アンテナは電波を受けやすいように、上が開けたハンドルまわりやメーターの近くに付けます。
カードが読み込まれたことを知らせる表示は、走り出す前に目で確かめられる位置にしておくと、カードの入れ忘れに気付けます。
夏のシート下は熱がこもりやすいので、長時間停めるときはカードを抜いて持ち歩くと、熱による傷みや盗難を避けやすくなります。
アンテナ一体型のように本体が外から見える形は、工具なしで外せない固定のしかたになっているかを、取り付けのときに店と確かめておくと、いたずらや持ち去りの心配を減らせます。
取り付けの配線は車体の電源から取るため、店に頼むのがふつうです。
車体の電気まわりにほかの用品を足すときの考え方は、ドラレコの選び方の記事で取り上げています。

購入の助成と、二輪向けの割引
ETCを付けると、二輪車向けの割引も使えるようになります。
決まったエリアの高速道路が2日間か3日間乗り降り自由になるプランや、土日祝日の利用が割り引かれる割引があり、どちらも利用前の申し込みが必要です。
実施される期間や対象の区間は年ごとに変わるので、ツーリングの計画を立てるときに最新の案内を見ておきます。
料金所の通り方
ETCレーンは十分に速度を落とす
ETCレーンの開閉バーの手前では、時速20km以下まで落として進みます。
カードの入れ忘れや読み取りの不具合で、バーが開かないことがあるからです。
二輪は急ブレーキで転びやすいので、バーが開くのを見てから加速するくらいの速度で入ってください。
バーが開かなかったときは、無理に通り抜けたりバックしたりせず、その場に止まって係員の案内に従います。
出発の前には、カードが差さっていることと、表示が「読み込み済み」になっていることを確かめる習慣をつけておくと、料金所で慌てずに済みます。
ETCカードには有効期限があり、期限が切れたカードでは開閉バーが開きません。
新しいカードが届いたら古いカードと差し替えるだけで使え、カードを替えただけなら車載器のセットアップをやり直す必要はありません。

付けるかどうか迷っているなら、去年1年で高速道路を何回使ったか、これから行きたいツーリング先が高速道路を使う距離かどうかを数えてみると、答えが出やすくなります。


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