バイク用のドライブレコーダーは、本体を比べ始める前に「電源をどこから取るか」と「取り付けを自分でやるか店に頼むか」で手が止まりやすい用品です。
この2つを先に決めると、選べる製品の形が決まり、あとは前後2カメラにするか、映りや防水をどこまで求めるかを見るだけになります。
決める順番
電源の取り方(USB・キー連動の配線・バッテリーから常時)
取り付けを店に頼むか、自分で付けられる形にするか
前だけか、前後2カメラか
夜の映り、防水、記録用カードの扱い

車用のドラレコをバイクに付けない理由
車用のドラレコは、雨に濡れることや、走行中の強い振動を想定して作られていません。
バイクに付けると、雨水が入って壊れたり、振動で映像がぶれたりしやすいので、バイク用として防水と防振をうたっている製品を選びます。
バイク用は、雨の当たらないシート下に本体を置き、小さなカメラだけを外に出す形が多いのも車用との違いです。
タイプ別の違い
| タイプ | 記録できる範囲 | 電源と取り付け | 気を付ける点 |
|---|---|---|---|
| 前後2カメラ(本体分離型) | 前と後ろ | 車体の電源につなぐ配線。店に頼むことが多い | 費用と作業の手間がいちばんかかる |
| 前だけの1カメラ | 前 | 車体の電源か、USB電源から | 後ろからの追突は記録できない |
| カメラ一体型(電池内蔵) | 付けた向き | ハンドルやヘルメットに付け、本体の電池で動く | 電池の持ちに限りがあり、充電を忘れると記録できない |
前後2カメラにするか、前だけにするか
渋滞の多い道を毎日通勤している人や、後ろからの追突やあおりが気になる人は、前後2カメラを選ぶと後ろの状況も残せます。
週末に走るだけで費用を抑えたいなら、前だけの1カメラから始めるのも現実的な選び方です。
カメラ一体型は配線が要らず、景色の記録を兼ねて使えますが、常に記録しておくための機械としては、電池切れと付け忘れが弱点になります。
映りを左右するポイント
画素数の大きさよりも、夜や逆光のときにナンバーや信号が見分けられるかが、記録として役に立つかどうかの分かれ目です。
- 明暗の差に強い機能:トンネルの出口や夜のヘッドライトで、白飛び・黒つぶれしにくい
- 画角:広いほど左右まで映るが、遠くの文字は小さくなる
- LED信号への対策:撮影のタイミングによっては、LEDの信号が消えたように映ることがあるので、対策をうたっている製品を選ぶ
- 防水の表示:カメラと本体のそれぞれに、どの程度の防水かが書かれているか。「IP」から始まる等級で表されることが多く、数字が大きいほど水に強い
製品の見本の映像が公開されていれば、夜の映像で前の車のナンバーが読めるかを見ると、違いが分かりやすくなります。
使い方ごとの選び方
| 使い方 | 向いているタイプ | 重視したい点 |
|---|---|---|
| 毎日の通勤(渋滞が多い) | 前後2カメラ | 後ろの記録、キー連動の電源で付け忘れがない |
| 週末のツーリング | 前後2カメラか前だけ | 防水、長時間の振動に強い、景色の映り |
| 配達の仕事 | 前後2カメラ | 雨の日の防水、乗り降りが多くても電源が安定する |
| 月に数回、近所だけ | 前だけ、USB電源から | 費用と取り付けの手軽さ |
値段の差が出やすいのは、カメラの数、夜の映り、防水の程度、スマホで映像を見られるかどうかといった部分です。
スマホとつないで映像を確かめられる機能は便利ですが、記録そのものの性能とは別なので、なくても困らない人は外してかまいません。

電源の取り方と、バッテリーへの負担
| 電源の取り方 | しくみ | 良いところ | 気を付ける点 |
|---|---|---|---|
| 車体のUSB電源から | 付いているUSBの差し込み口につなぐ | 配線の作業がほとんど要らない | 差し込み口がない車体では使えない。抜けると記録が止まる |
| キーに連動する配線 | キーを回したときだけ電気が流れる線から取る | エンジンを切れば止まるので、バッテリーが上がりにくい | 配線の作業が要る |
| バッテリーから常時 | バッテリーに直接つなぐ | 停めているあいだも記録(駐車中の監視)ができる | バッテリーが上がりやすい。配線とヒューズの知識が要る |
バイクのバッテリーは車より小さいので、停めているあいだも録画を続けると、数日乗らないだけでエンジンがかからなくなることがあります。
駐車中の監視を使うなら、バッテリーの電圧が下がったら自動で止まる機能があるものを選び、乗る間隔があく人は無理に使わないほうが無難です。
グリップヒーターやUSB電源など、電気を使う用品がすでに付いている車体では、全部を合わせた消費が車体の余裕に収まるかも考えておきます。
車体の発電の余裕やアクセサリーに使える電気の量は、車体の取扱説明書の値に従い、書かれていなければ販売店に聞いてください。
バッテリーが弱ったときの見分け方や充電のしかたは、バッテリー交換とバッテリー上がり対策の記事にまとめています。
配線の作業は、自信がなければ店に任せる
バッテリーやキー連動の線から電気を取る作業は、つなぐ線を間違えたり、ヒューズを入れなかったりすると、ショートや故障、発熱の原因になります。
カウルやタンクを外さないと配線を通せない車種も多く、外し方を誤ると部品を傷めます。
配線の経験がない場合は、購入した店かバイク用品店に取り付けまで頼んでください。
自分で付けてよいのは、車体にあるUSBの差し込み口につなぐだけの形までと考えておくと安全です。
店に頼むときの費用は、本体代に取り付けの工賃が加わり、工賃はカウルやタンクを外す作業があるかで大きく変わります。
ETCやUSB電源など、ほかにも配線の要る用品を付ける予定があるなら、同じ日にまとめて頼むと、外装を外す作業が一度で済むことがあります。
まとめて頼むと工賃がどう変わるかは店によって違うので、見積もりのときに聞いてみると判断しやすくなります。

取り付け位置の注意
前カメラと後ろカメラ
前カメラは、ミラーやメーターの視界をじゃませず、ハンドルを切ってもぶつからない位置に付けます。
レンズの向きは、映像の上側に空が少し入り、道路が画面の大半を占めるくらいに合わせると、前の車のナンバーが映りやすくなります。
後ろカメラは、ナンバープレート、テールランプ、ウインカーを隠さない位置に付けてください。
リアボックスを付けている車体は、ボックスの下側やキャリアの部分に付けられるかを店に相談すると、後ろが見やすい位置を選べます。
本体をシート下に置く形は、夏にシート下がかなり熱くなるので、本体が動く温度の範囲が製品の説明に書かれているかも見ておきます。
カメラの台座は走っているうちに振動でゆるむことがあるので、ときどき手で触ってがたつきがないかを確かめます。
カメラから本体までのケーブルは、ハンドルを左右いっぱいに切っても引っ張られず、マフラーやチェーンに触れない道筋で留めます。
ヘルメットにカメラを付ける場合
カメラ一体型をヘルメットに付けるときは、帽体に穴を開けたり削ったりせず、製品の台座で留めます。
重いカメラを高い位置に付けると首への負担が増え、転んだときに引っかかるおそれもあるので、できるだけ小さく軽いものを、帽体の低い位置に付けるほうが向いています。

記録用カードの扱い
映像を残すmicroSDカードは、書き換えをくり返しても傷みにくい高耐久のタイプが向いています。
本体ごとに使えるカードの容量の上限が決まっているので、対応する容量の範囲を説明書で確かめてから買います。
前後2カメラや高い画質で記録するほど、同じ容量のカードでも残せる時間が短くなり、古い映像が上書きされるまでの間隔も短くなります。
何時間ぶん残せるかは製品の説明に容量ごとの目安が載っていることが多いので、1日に走る時間と照らし合わせて容量を選びます。
カードは使い続けるうちに書き込みの不具合が起きることがあるので、説明書の案内に従って、ときどき本体でフォーマット(初期化)しておきます。
古い映像から順に上書きされていく製品が多いので、残したい映像があったら、上書きされる前にパソコンやスマホに移しておいてください。
月に1回くらいは、実際に映像を再生して、ちゃんと記録されているかを見ておくと、いざというときに「映っていなかった」を防げます。

買わなくていい場合と、よくある疑問
乗るのが月に数回で、近所の短い距離だけという人は、配線の作業までして前後2カメラを付ける必要はあまりありません。
その場合は、配線の要らない前だけのカメラか、USB電源から取れる手軽な形で十分なことが多いです。
雨の日は乗らないという人でも、洗車の水や朝露はかかるので、防水の表示だけは外せない条件と考えてください。
ドラレコがあれば、事故のときに有利になりますか?
映像は、事故のときにその場の状況を伝える材料になります。
ただし映像があるからといって、話し合いの結果がこちらに有利になると決まるわけではありません。
映っている範囲や、そのときの自分の走り方も含めて見られるものと考えてください。
事故のあとは、まず安全な場所への移動とけが人の救護、警察への連絡を先にして、映像はあとで保存します。
店に見積もりを頼むときは、「前だけか前後か」と「電源をどこから取るか」の2つを伝えると、話が早く進み、金額の比べ方もはっきりします。



コメント